合巻本 「信田 手白猿牽」(しのだづまてじろのさるひき)
信田?手白猿牽 上中下
[シノダズマ テジロ ノ サルヒキ]
この「信田?手白猿牽」は、短編合巻最盛期の曲亭馬琴(滝沢馬琴)の作品である。江戸時代後期の寛政の改革による出版取締りなどの影響も受け、一般庶民に親しまれていた黄表紙(きびょうし)が変化し、しだいに長編の続き物が多くなり、それを合冊するようになったのである。19世紀初めの江戸末期には、すでにこのようなものを合巻(ごうかん)というようになった。本書の現存するものは少ないうえ、原装のままで保存状態も非常に良いというものは珍しい。さらに刷りも良く、極めて美しい合巻の本といえるであろう。
合巻本 「信田 手白猿牽」(しのだづまてじろのさるひき)
上 中 下
曲亭馬琴/作 歌川豊國/画
仙鶴堂 ; 文政3 (1820) 年刊